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2023/07/03

社内不正の発生要因と対応策について

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法務担当・IPO準備室の町田です。今回は、社内不正の要因と対策について紹介したいと思います。

1 社内不正の発生要因

従業員および役員による不正が発生する要因として、有名な不正のトライアングル理論という考え方があります。

不正のトライアングル理論とは、不正の発生原因は、①動機、②機会、③正当化という3つの要因が重なったときに不正が発生しやすくなるというものです。

①動機

動機とは、本人が不正を働くための動機をいいます。個人的な金銭問題、遊興費捻出など業務外のものと、会社側からの強いプレッシャーの存在などの業務上のものがあります。
近年の調査では、全体の半数以上が業務外の個人的な動機が要因であると報告されています。(企業不正の調査実務2013年中央経済社)

②機会

機会とは、不正を行うことが容易かつ可能な状況にあることをいいます。
適切な業務規程がない、または業務規程が存在しても守られていないなどの場合には、不正の機会が存在することになります。

③正当化

正当化とは、不正行為をとることへの心理的抵抗の低さをいいます。個人的な倫理観の欠如・低下だけでなく、業績評価への不満などが不正行為を正当化させる原因となります。

2 有効な対応策

上記の要因を把握したうえで、各要因毎に対応策を検討し、社内不正が起きにくい環境を作っていく必要があります。

①動機について

動機については、半数以上が個人的な動機となっているため、会社側が統制しづらい要因といえます。ただ、業務に関連して発生する動機を低下させることは可能です。
具体的には、業績へのプレッシャーが個人だけでなく、部門やチームに向けられるものとすることで、動機の低下につなげることができます。また、目標未達の場合に減点するのではなく、加点方式で評価していくというのも有効と考えられています。

②機会について

会社としては、不正の機会を減らすことが最も重要となります。
社内における相互監視、相互けん制について有効な業務規程を策定し、遵守されているか監視することで、機会を減らすことが可能です。
全ての業務について対策を行うのは逆に業務効率を害してしまうため、各業務ごとに優先順位をつけて、定めていく必要があります。

③正当化について

次に、正当化要因を減らすことが重要となります。
不正行為が正当であるという意識を持たないように社内研修を行う必要があります。過去に起きた不正事例と、どのような制裁を受けたかについて、社内共有を行うことで、会社の不正行為に対する姿勢が社内に浸透します。
また、日頃から社内の業務上の不満の解消に努めることも、不正を正当化する要因を低下させることにつながります。

3 まとめ

不正が起きにくい環境にすることは重要ですが、不正が起きた場合に、その原因を調査することがより重要といえます。原因が判明しなければ有効な再発防止策を講じることもできません。不正が起きた場合には、必ず上記の3つの要因から原因を調査することで、調査漏れを防ぎ、真の原因を探求することが可能となります。

以上、今回は、社内不正とその対策に関して紹介しました。
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